「…お前さ、そこは怒るところだろ」
「え?」
「……何でもない」
…さっきから、変な和君…。
それにしても…恥かしすぎる…。
和君の顔をまともに見れなくなってしまって、下を向いた顔すら上げられない。
「…っ、もういいから。今日は寝ろ」
私たちに流れた空気に居た堪れなくなったのだろうか、和君は静寂を壊すようにそう言った。
「ていうか、腹は?減ってないか?」
「う、うん…全然…」
「そ…減ったら言って。それじゃ、おやすみ」
足早に部屋を去っていく和君に、私は何もかける言葉がなかった。
パタリと音を立てて閉まるドア。
広いリビングに独りきりになって、寂しさよりも安堵が胸を支配した。
う…和君に下着見られちゃったのかな…
何度もしつこいけれど、本当に恥ずかしくて布団に顔を埋める。
もっと可愛いの着けてくるんだった…もうやだぁ…。
ワイシャツをチラリと捲り、中の下着を見ながらガックリと肩を落とした私。
ふと、この服が和君のものだと思い出し、さらに顔が熱を帯びるのを感じた。
和君の服…大っきいなぁ…。
私の倍あるんじゃないだろうかと思うほど、ぶかぶかのワイシャツ。