倒れる前、私は制服だった。
ワイシャツに、指定のスカート。
けど今は…明らかに私のではない大きさのワイシャツに、これもまた私のではない…水色のスウェット。
緊急事態に涙は瞬時に引いてしまって、目をぱちくりと見開いた。
「か、和君…」
「何?」
キッチンへ行こうとする和君の背中に呼びかけると、こちらを振り返りながら不思議そうに私を見る。
「あ、の…服…」
私が何を言いたいかわかったのだろうか。
和君は驚いた表情をした後、私に背を向けた。
「仕方ないだろ…お前雨でずぶ濡れだったんだよ…だから……見ては、ないから」
み、見てはない…って…
そんな、見ないで着替えさせるなんて…できるわけない…っ。
羞恥心で爆発してしまいそうで、顔が異常なほど熱を持つ。
穴があったら入りたい…ぅ。
「い、嫌なもの見せちゃってごめんね…」
私なんかの貧相な身体…和君の目に入れてしまった…。
申し訳なくて居た堪れなくて、タオルで顔を隠す。