和君がいない穴は、他の誰にも埋められないんだ。
「雨も酷いし…遠慮しなくていいから」
断る私に、しつこくそう言ってくる先生。
どうすれば引き下がってくれるのか…と思いながら、カバンの中から折り畳み傘を取り出した。
「あ、傘あるの忘れてて…ほんとに大丈夫です。ありがとうございます」
それなのに、私の話を聞いていないのか突然手を握ってきた先生。
反射的に拒否反応が出て、その手を振り払った。
「ほら…体も冷えているだろう?…来なさい」
再び、握られる手。
いや、やだ…触らないで…。
「せ、先生っ…!離してください!」
「送ってあげるから、大人しくしなさい」
「いやっ…!帰れますから!!」
な、に…?

