【完】お前だけは無理。



「お前だけは…無理」



追い討ちをかける和君の台詞に、遂に涙は溢れた。

意味が…わからないよ。


ほんとにほんとにわかんないっ…


どうして、抱きしめたの?

どうして…そんな切なそうに、名前を呼んだのっ…?



「それでも私は…和君じゃないと無理だよっ…」



頭が…おかしくなっちゃいそう…っ。


矛盾だらけの和君の行動と、台詞、態度、そのすべてに。



「しつこい…って、もう、早く帰れ…」



呆れたようにそう言って、背を向ける和君。



「待って…お願い…」



私は未練がましく縋って、また引き止めようとした。


でも、もう和君は覚悟したような顔をして、私を睨みつける。



「うぜぇ、近寄んな」



ーーーっ、


心臓に、何本もの槍が刺されたような感覚だった。