「どうして、和君…」
和君が何を考えてるのか…全然わかんないよっ…!
嫌いだ、鬱陶しい、って突き放すくせに、
保健室で助けに来てくれたり、
放課後遅くまで待っててくれたり、
知らないけど、浩太君にも何か言ってくれたみたいだし、
手伝いだって…私の代わりにしてくれる、し…
「用がないならもう帰れ。部活動をしていない生徒の下校時間は遠に過ぎている」
私の横を通り過ぎ、去って行こうとする和君。
咄嗟にその手を握り、引き止めた。
ビクッと、反応する和君。
「行かないでっ…」
そのまま、背中に抱きついた。