その日の放課後、私は第二音楽室の前にいた。


6限が終わってすぐに。



和君は7限迄だから、待っていたらきっと来るはず。

本当に…和君が伴奏者の代理を務めてくれているなら、この教室にやって来るはずだから。


正直、来て欲しい気持ちと来てほしくない気持ちは半々。


だって、もし…和君が来てくれたら、今度こそ私はわからなくなってしまうから。

和君の、気持ちが。


あれだけ突き放すくせに…どうして、ここまで私のために動いてくれるの?

和君は一生徒としてとか言っているけど、ここまできたら…誰でも、勘違いしてしまうよ?


もし、和君が代理をしてくれていたら…


…どれだけ拒まれてもなんでも、話をしよう。


離れていた分のことも、話そう。

私の愛を、ぶつけてしまおう。