【完】お前だけは無理。


それは、一瞬だった。

抵抗する暇も与えられず、首を掴まれ倒される。

呆気なく地べたに倒れた俺は、顔を歪めながら奴を見上げた。


俺に跨る奴の顔は、今まで見た顔という顔の中で、一番と言っても過言ではないほど恐怖を煽る表情で…



「今後一切、白川雪には関わるな」



その表情から放たれた声は、保健室で聞いた声よりも低かった。



「…ッ…」



思わず、唾を飲み込む。


会長を見下げながら、ゴミでも見るような目を向けてくる。



「本当は、退学にしてやろうと思ってたんだ。でも、あいつは優しいから、それはやめてくれって言ってきた」



あいつ…とは、雪ちゃんのことだろう。

…なんで?


俺、襲おうとしたのに…?


彼女は、お人好しなんだろうか。


突然、罪悪感に襲われる。