私も、少し身体が強張るのを感じる。

押し倒された時のことを思い出し、記憶を掻き消すように首を左右に振った。


ゆっくりと、口を開いた浩太君。



「ゆ…じゃなくて、白川…さん」



…?今、雪って言おうとした?

どうして、言い直したんだろう…?


不思議に思いながらも特に気にも留めず、私は精一杯の笑顔を浮かべる。



「浩太君…おはよう」


「おは、よう…」



…よし、一先ず挨拶は出来た。


まだ楓ちゃんも瞳ちゃんも来ておらず…というより、教室には私と浩太君含め3人しか来ていない。