「お前は悪くない、あいつがそうならざるを得ない行動をしたんだ」
「でもっ…嫌なの」
和君なら、わかってくれるよね…?
「私…これ以上人の人生を狂わせたくない…」
貴方だって、私の被害者なんだから。
「だから…退学にしないで、お願い…」
私は、疫病神が何かなんじゃないだろうか。
和君も、そう思っているかもしれない。
私の言葉に返事をしないまま、和君が足を止めた。
ゆっくりとこちらを向き、私と目を合わせる。
「着いたぞ」
いつの間にか家の前に着いていて、和君は「じゃあ」とだけ言って帰ってしまおうとする。