「お前の担任の松井は、過去に生徒にセクハラして飛ばされた…って、噂がある」
「…え?」
和君の言葉に、驚いて目を見開く。
あの、先生が…?
そんな風には見えなかったので、頭の中は少しだけパニック状態に近かった。
噂話は、あんまり信用したくない。
でも、和君は憶測で話すような人ではないし、ちゃんと理由ないと、そういうものを信用しない人だ。
だから、和君の言うことは信じている。
「で、でも…噂だよね?」
ただ、どうしてそんな風に言うのか、気になった。
「…噂でもなんでも、合唱部の手伝いなんてやめろ。部内の問題は部内でどうにかするべきだ。それを他から持ってきて埋めようなんて、だからあの教師は馬鹿にされるんだ」
和君の台詞に、先生のことなんて頭の中から飛んでいってしまった。

