【完】お前だけは無理。



「…どうもありがとうございます。雪行くよ」



突然こっちを向いた和君と目が合い、心臓がこれでもかというくらい跳ね上がった。


またっ…名前、呼んでくれた…っ。


どうしようか、嬉しくて、私はどうにかなってしまうんじゃないか。


手を引かれるままに歩き出し、和君について行く。



「白川ッ…!気をつけて帰るんだぞ!」



背後から聞こえた先生の声に、私は先生の存在を忘れていたことに気づいた。



「はい、さようなら」



ごめんなさい先生っ…!


そう思いながら、次の瞬間にはまたその存在は頭の中きら消えてしまった。


もう私の頭の中は、和君一色に染まってしまったから。



「水谷も、気をつけてな」



ピタリ、と、突然足を止めた和君。