和君。
どうして、名前…どうして、手を?
わからない、でも、兎に角一つ言えることは…
「う、うんっ…!」
この時が、止まればいいのにと思った。
一瞬、昔に戻ったのかと思った。
「先生、俺が送って行きますんで、お構いなく」
先ほどの会話を聞いていたのか、先生にそんなことを言う和君。
先生は一瞬、気のせいか顔を歪めたけれど、すぐに笑顔に変わった。
「水谷ッ…そ、そうか…」
「こんな時間まで生徒会とは、ご苦労様だな」と付け足した声に…嫌味が混ざっている気がしたのも、気のせい?
「会長として、当然ですよ。先生たちからも期待していただいてますし」
「…そうだなぁ、お前は我が校きっての優秀な逸材だからな」
和君、凄いんだなぁ…!
先生の言葉に、なんだか私が嬉しくなって、笑顔で和君の顔を見上げる。

