【完】お前だけは無理。



「かず、君…?」



何処から現れたのか、目の前に和君の姿。


世界で一番愛しい人が、

世界で一番愛しい声でーー…



…何時ぶりだろうか。

名前を、呼んでくれたのは。


どうしているの?とか、何してるの?とか、聞きたいことはいっぱいあるのに、


その声に名前を呼ばれた私は、魔法をかけられたかのように身動きが取れなくなる。



『雪』



頑なに、呼ぼうとはしなかったのにっ…どうして、突然…っ…?



「遅かったね、早く帰るよ」



和君はそう言って、先生の手を振り払い私の手を握る。


何年かぶりに握ったその手は、前とは比べものにならないほど大きくて…


言葉にできない愛しさが、溢れ出す。