【完】お前だけは無理。



「でも…大丈夫ですよ、近いですし」



そう断わってみても、先生はなぜか折れてはくれず、帰ろうとする私の腕を掴んできた。

…っ。

昨日の、浩太君の顔が浮かぶ。


…少し、男の人に対して恐怖心が芽生えてしまったのかもしれない。

ただでさえ触られるのは苦手なのに、身体中に悪寒が走った。



「いやいや、手伝いまでしてもらったんだし、このくらいさせてくれないか…!」



はな、して…ほしい。


先生に相手にこんな感情を持つのは申し訳ないけど、本当に、気分が悪くなってきた。


一向に引こうとしない先生に、どうしようかと途方にくれる。



「雪」



そんな、時だった。


たったそれだけなのに、泣きたくなる。