【完】お前だけは無理。



『雪!俺は今日からギターを弾く!』


『え〜ピアノは?』


『ピアノって女っぽいじゃん…俺はかっこよくギターをマスターするんだよ。いつか雪に、曲作ってやる!』



そう言って笑った和君を思い出し、私はたまらなく泣きたくなった。



「遅くまで残らせてすまなかったな」



片付けが終わり、部室の鍵をかける。



「いえ、それじゃあ、さようなら」



先生にありがとうございましたと頭を下げ、帰ろうとした時だった。



「白川ッ…!」



先生に名前を呼ばれ、振り返る。


…?


振り返って見えた先生は、何故か額に汗をかいていて、頰が赤らんでいた。



「もし、よかったら…家まで送らせてくれ。もう外も暗いし」



…え?

確かにくらいけど、そこまでしてもらわなくても…。


一生徒にそんなことをしてしまっては、保護者からクレームが来たりするんじゃないだろうか?