「俺、あの子知ってる…新入生代表の子だ…」
「超美人じゃん…俺合唱部でよかった…!」
話す声が小さすぎて、聞き取れない。
なんだか不安になってきて、私は肩を落とした。
すると、女の先輩が「早速練習はじめるわよー」と言って、みんな静かになる。
私も言われた通りにピアノの準備をし、椅子に座った。
「地区大会で歌う曲なんだけど…知ってる?」
「あ、はい。わかります」
先輩から貰った楽譜は、私も知っている曲で、何度か弾いたことがあった。
ピアノのソロパートも多くて、何より指揮者はリードするが大変な曲。
「タイミングは合わせるわね…」
それなのに、気を使ってか指揮者の先輩が私にそう言ってくれた。
「あ、いえ。私は大丈夫です…!指揮者に合わせるのが基本なので」
指揮者がピアノに合わせてたら、完全に合唱が乱れてしまう。
大丈夫、ブランクはあるけど、私は結構ピアノに入れ込んでいたから。

