『ねぇ和君。ちゅーは、誰とでもするものなの?』
私の質問に、和君が飲んでいたジュースを吹き出す。
『ぶっ…!!おまっ、何言ってんの…!』
『えー…だってね、雪見たの』
慌てた様子の和君に、私は自分が見たものを話した。
私の言葉を聞いて、目を大きく見開き、顔を顰めた和君。
『…本当に言ってるのか?』
『うん、さっきだよ?』
こんなに険しい表情の和君、見たことない…
そう思うほど、何かに酷く焦った様子の和君。
数秒悩み込んだ後、私の肩を掴み、目をじっと見つめてきた。
『雪…そのことは絶対に誰にも言っちゃダメだ。絶対だぞ』
『どうして…?』
『どうしても、だ。これは俺と雪の秘密な?』
この時の私は理由がわからなくて、それでも、和君と二人だけの秘密…というのが嬉しくて、小指を握り合った。