「じゃあ、話は終わっただろ?早く帰れ」
この人は、一体なんなんだ。
そこまで愛している人を、どうして手に入れようとしないの?
「どうして…そこまで頑なになってるの?」
…私には、理解できない。
「それだけっ…それだけ教えて!」
無反応を突き通す和哉君に、そう叫ぶ。
すると和哉君は、作業する手を止めて、ゆっくりと口を開いた。
その瞳には、今までの和哉君にはなかった感情が全て込められていた。
苦しい、切ない、悲しい。
そして、もう一つ…
「この世で一番、あいつが大事だからだ」
ーーーーー愛しい…。
「意味、わかんない…」
知らない間に、目から涙が流れていた。