「…俺?」と、疑うような目で私を見つめる和哉君は、見るからに忙しそう。
副会長の真人君も、役員の涼介も帰ったのに、一人で仕事?
何か急ぎで済まさないといけないことがあるのだろうか…でも、少しだけ時間をもらおう。
「…悪い、今忙しいから後にしてく「雪のこと、どう思ってるの?」
またしても和哉君に発言権を与えず、率直に聞く。
一瞬酷く動揺した表情を浮かべた和哉君だったけれど、すぐに冷静を装い私から目を逸らした。
「……お前には関係ない」
…そういうこと、言うと思ったわよ。
でも、私は和哉君の本心を知る必要があった。
雪のために。
「おかしいと思ったの。初めから。雪に対しての態度が」
和哉君は、良い意味でも悪い意味でも他人に興味を示さないし、深入りしない。
そのくせ、昨日みんなで帰った時、雪に対しての態度がおかしかった。