どうせ、涼介に会いに行くとでも思ったんだろう。


でも、嘘はついてないからね。

ちょっと、二人きりで話したい人がいるのよ。





「失礼します」



扉を三回ノックし、ドアを開ける。



「笹川…?」



入ってきた私を見て不思議そうな顔をしたのは、生徒会長の和哉君。


…うん、ここに来れば会えると思った。



「涼介なら帰ったぞ。今でてったから追いかければまだ間に合「いえ、今日は和哉君に話があってきたの」



この人もか。勝手に勘違いし、そう話す和哉君の声を遮る。