目なし女の消えない呪い

希美は恐ろしくて、自分のスマホを床に放り投げた。




きっと自分のスマホは呪われている。




希美はそんなことを自覚しながら、誰かに助けを求めるために、家を出ようと思った。




今日に限って、家には父も母もいない。




そんな孤独な不安の中で、自分は目なし女の恐怖に耐えられない。




希美は震える足で立ち上がった。




自分一人しかいない、この家を出るために……。




そして希美が部屋のドアノブに手をかけたとき、誰もいるはずのないこの家の中で、希美に近づいてくる足音が聞こえてきた。