目なし女の消えない呪い

目なし女が振り下ろしたアイスピックが、美月の瞳に迫ってきたとき、拓也の体が美月に覆い被さり、美月の体を抱きしめた。




美月は、力強く自分を抱きしめる拓也の温もりを感じながら、まるで時間が止まってしまったような錯覚に陥った。




〈 拓也が私を守ってくれた。

拓也が私の盾になってくれて…… 〉




洞窟の中に響いていた目なし女の叫び声がなくなり、洞窟の中は静寂に包まれた。




美月はドキドキと早鐘を打つ心臓の鼓動を感じながら、自分を庇ってくれた拓也のことを思った。




〈 拓也、私のことを庇ってくれてありがとう。

でも、拓也は無事なの?

目なし女のアイスピックが、拓也の体を刺したんじゃないかしら?

だとしたら、私は拓也に何て言えばいいのだろう?

拓也……、私はあなたのことが、一番大切なのに…… 〉




美月がそう思ったとき、電波が届かないはずの洞窟の中で、美月のスマホの着信音がなった。




美月はそのあり得ない現象にドキドキしながら、自分の右手に握られているスマホを目を落とした。