目なし女の消えない呪い

「お父さん、どうして長島優子のことを私に隠すの?

何かやましいことがあるからなの?」




「止めるんだ、美月!」




秀雄はそう言ってソファーから立ち上がり、美月を見下ろすように、美月の前に立った。




「長島優子は行方不明になった。

それは、長島優子が殺されたからよ!」




「黙りなさい!」




秀雄はそう言って、美月の頬を思いっきり平手で叩いた。




美月は、秀雄の強い力に、よろけて、床に倒れ込んだ。




「美月、それ以上その話をするつもりならば、この家から出ていきなさい。

長島優子は行方不明になって、三十年間、どこにいるかわからない。

ただそれだけの話だ。

もうみんなが忘れ去った過去の話だ」