「帰んぞ」 人を待たせといて 偉そうですね、随分。 私は黙ってあいつについて行った。 泣く泣くだよ? だって逃げようとしたら あいつが睨んできて 腕を引っ張ってくるから 逃げるにも逃げれない。 「あのさ、 もう逃げたりしないから離してくんない?」 抵抗しても無断なことはわかった。 だから逃げないから いい加減腕離してよ。 力強くて痛いんだよね、さっきから。