恥ずかしすぎて顔から火が出そう。



仮にもお父さんなの‼︎



「大河さんっ、ひとりで歩け…」

「…………」



に、睨まれたっ‼︎



怖いから従っておこう…。



「よかったな、優しくされてて」



お父さんの呑気な声に、久しぶりに安心感。



お父さんはお父さんだった。



人間じゃなくても、あたしを育ててくれたお父さんだ。



大河さんの部屋に着くと、行き先はやっぱりベッドの上。



「高島が薬を持ってくるから、しばらく我慢」

「あっ、はい…」

「で、きっと会いたかったであろうジローを呼んだけど、嬉しい?」

「う、嬉しい‼︎今日、家に帰ってみたらお家ごとなくなっちゃってて…」

「ジローは華山別邸に戻ってもらったから」

「それはどこにあるんですか?」

「ここからそう遠くない。今度連れて行くよ。妹も会いたがっていたし」



お父さんがちゃんと生活してるだけで、なんだか満足。