狐と嫁と溺愛と

だけど、ホッとしてる。



蘭月さんが来てくれなきゃ、流されてただろうな…。



客間で待っていたふたりの元へ行くと、不機嫌な大河さんはドカッと胡座をかいた。



「機嫌悪いな…。ナナさんとケンカでもしたのか?」

「してねぇ」

「そうか、久しぶりだな、ナナさん。懐妊の話を聞いて、飛んできてしまったよ」



それが原因で不機嫌なんですけどね。



邪魔されたから怒ってるんですよ。



なんて、口が裂けても言えなくて。



「ありがとうございます、パパ」



そう笑顔でお礼を言う。



パァっと笑顔になったパパは、パパと呼ばれたことが相当嬉しいようだ。



ママはお土産だとか言って、たくさんの子供用の着物を持ってきて。



「嬉しいしカワイイ…」

「出産は命がけだけど、頑張るのよ‼︎」

「あっ、はい‼︎お腹切って出すみたいですけどね」

「えっ、切っちゃうの…?かわいそう…」

「大丈夫です、頑張ります」



そっちの方が安全だってことで、帝王切開予定です。