狐と嫁と溺愛と

こっちには鉛筆もないんだ…。



筆で何かを書いている姿は、本当にキレイな所作。



ボーッとそれを眺めてから声をかけた。



「なに…してたの…?」

「起きたか。四役の会合があるから、それの同意署名」

「四役?」

「狐、鬼、龍、天狗。今回のことで集まって会議ってとこ」

「じゃあ椿さんも来るの?」

「あぁ」



椿さんに会いたいな。



元気にやってるかな?



志鬼くんが頑張ってるよって、伝えたい。



「ナナも同席してくれるか?」

「えっ?なんで…?」

「当事者だし、伴侶の同伴は認められてる」

「イヤだ、アズマに会いたくない…」

「そうか、わかった」



あっさり認めてくれた。



会いたくないのは事実。



あんなことされたんだ、会いたくないよ…。



「後悔しないか?」

「えっ?」

「アズマに文句言わなくていいか?」

「文句…」

「お前に任せる。で、腹は減ったか?」



減ってません。