狐と嫁と溺愛と

しばらくすると、大河さんがやって来て隣に座った。



「ご飯できたの?」

「まだ。今煮込んでる」

「大河さんってご飯作れるんだね」

「作れるよ。一応一人暮らしとかしてたんで」

「そうなの⁉︎いつ⁉︎」

「60年くらい前からしばらく?」

「想像できない時代だから聞かなかったことにするね」

「ん、そうして」



何気に歳がイッてます、大河さん。



やっぱり老けないって羨ましい。



「なに作ったの?」

「みそ汁とお粥」



和食好きは、作るものも和食らしい。



みそ汁は大河さんが食べたくて作ったみたいだけど、みそ汁を作れるのが意外というか…。



新たな大河さんだ。



「ご飯食べるからこれ、外して?」

「ダメだって。あっち行くギリギリまでそのまま」



点滴は外してくれず、久しぶりの食事は大河さんの膝の上。



抱っこしてくれて、震える手でお粥をひとくち。



あっ、美味しい…。