狐と嫁と溺愛と

タマキさんが屋敷に戻った時に、会ったといえば会っている。



でも、こうして面と向かうのは初めてだ。



とにかくキレイな人…。



背はそんなに高くなくて、華奢。



同い年くらいに見えるんだけど、きっとかなり歳上。



とにかく美人だ。



「お父さんがいつもご迷惑をおかけしてます…」

「迷惑をかけたのは私の方。座って?」



話によれば気性が荒いと聞いていたけど、穏やかな雰囲気。



怒ると怖いのかな…。



「ずっと会ってみたかったの。ジローが子育てだなんて、あり得ないと思っていたから」

「あはは…確かに…」

「でも、あなたは生きてる。ちゃんと育てたのね」

「まぁ、一応…」

「死んでしまえばいいって、何度思ったことか」



へっ⁉︎



やっぱりよくは思われてない⁉︎



だよね、あたしのせいで離れ離れになってたんだから…。



「ふふっ、冗談よ。おかげでジローがやっと決断してくれたの」



どうやら、お父さんはタマキさんにプロポーズしたらしい。