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妖の世界とは不思議なもので、朝と夜の気温の差が少ない。



毎日満月だし、雨が降るとみんな嬉しそう。



「ケホッ…」

「奥方様…、下がりませんね…」



やっぱり体調が悪かったようで、熱が出てから数日。



熱が下がらない。



こっちには人間の医者がいなくて、妖の薬を飲んだのに全く効かなかった。



熱い体と、咳、頭痛…。



死んでしまいそう…。



「もしかして、インフルエンザというものでは…?」

「えっ…」

「人間がかかるウィルス性の…」

「あっ…」



そうかもしれない。



学校で流行ってたし。



だからこんなに酷いの⁉︎



薬を飲めばマシになるって聞いたけど、ここには薬がない。



大河さんも帰ってこないので、あっちの世界にも帰れない。



「当主様がいれば…」

「大丈夫ですから…」

「辛そうで見てられないのですが」

「今だけです。きっとよくなる…」



妖は人間の病気にはならないらしく、あたしのウィルスは移らないって。