まさか大河さんの愛人とかではないよね…?



「女郎蜘蛛さん、い、いつもありがとうござい…ます…」

「いえいえ、好きでやってることですもの」

「そう…ですか…」

「おびえてらっしゃるのね、カワイイ」



怖いですっ‼︎



キレイすぎるから怖いっ‼︎



「私の名前は夢、そう呼んでくださいね」

「ゆ、夢さん…」

「顔色が悪いわ。今から休まれるのですね。私は他の仕事に行きます」



通りすがりにフワッといい匂い。



あんな人がメイドさんだったなんて…。



大河さん、よくあたしなんかと結婚したな…。



高島さんも美人だし、夢さんも美人。



妖って、みんな美人なの?



「恐ろしい…」



パタッとベッドに横になり、横を向くと見える窓を眺める。



ここは大河さんの結界のせいで鳥も来ない。



車の音も聞こえないし、静かな場所。



雨も降らないなんて、本当に不思議な空間だな…。