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お弁当を持ったまま教室へ戻ると、クラスメートたちの大半が昼食を食べ終わっていた。


あたしは無言のまま自分の席に座り、お弁当を広げる。


ようやく箸をつけようとした瞬間、初とつぐみがあたしの机の前にやってきた。


あたしはチラリと2人に視線をやり、無視しておかずを口に運ぶ。


「今からお弁当? 遅いんだねぇ」


ニヤニヤしながら初がそう言ってくる。


あたしは返事をしない。


「今日は雨だから、食べる場所がなくて戻ってきちゃった?」


つぐみがそう言い、あたしの顔を覗き込んでくる。


「だったら何?」


「1人で食べるご飯って寂しいんだろうなぁって思って」


と、初。


「別に」


「また強がっちゃって。ほら、この子たちも一緒に食べたいってさ!」


つぐみがそう言うと、ポケットの中からティッシュを取り出した。


ティッシュの中には様々な虫がくるまれていて、つぐみはそれをあたしのお弁当の上にまき散らしたのだ。