「おはよう、メルダ!また俺の大きな声で起こしてしまったか?」

その人物とは、朝早くに外の掃除をしながら声を張り上げる男、カインである。

「・・・おはよう。今日はちょっと変な夢を見ちゃってね」

カインはグランと共に魔王討伐をした仲間の一人だった。
が、ひょんなことから住み込みで働いている。

「変な夢?なんだ?」
「それは・・・」

メルダはカインをちらりと見る。

・・・言える訳ないじゃん。
カインの夢を見てたなんて。

「どうした?」
「な、なんでもない!」

メルダは慌てて目を逸らした。

「変な奴だなぁ、顔真っ赤だぞ?」

そう言うと、メルダの頭をポンポンと軽く叩いた。