「メルダとは俺が宿に泊まった時に話をしてね。で、お前の凱旋をよく見える場所を提供してもらったから、誘って一緒に見ただけさ。なにか問題でも?」
「そう。じゃあ、なんで今もメルダの宿屋にいるんだい?」
「ん?俺ももうやる事ないから、住み込みで働かせて貰ってるんだ。いけないか?」

ふうん、とグレンは言うとにこやかだった笑みが消え、グレンを睨みつけカインに威圧を与えた。

「どうした?そんな怖い顔をして」
「なに企んでるの、カイン」
「え?」

その威圧は魔王との戦いの前にも見られた姿。カインはそのグレンのオーラに少し怯んだ。

「企んでって・・・別に」
「私の大事な幼馴染に何しようとしているの」

今まで軽く交わしていたカインだったが、グレンのその表情に軽く返す事が出来なくなった。