「俺は呪いから解放された。だからきっと、これから何百年も生きるだろう」
「あたしの方が、先に死んじゃうからね。それは覚悟しておいてね」
こんなこと言いたいんじゃないのに。あたしが居なくなったら、深雪はどうするんだろう。どう生きていくんだろう。そんな何年先になるか分からないことを考えると、頭痛がしてくる。
あたしがおばあちゃんになって、寿命で死んだら、そうしたら、新しい誰か探してね。
そう言いたいのに。なんて強欲で嫉妬深くて、自分勝手な女なんだろうか。風にそよぐ野菜畑を見ながら思う。
居なくなったらなんて、そんなのいつか分からない。明日かもしれないし、気が遠くなるほど先かもしれない。
「ひとりにしない。絶対に。きみが生きている間、俺はきみを見守る。一緒に居る」
そばに居てくれと言ったあなたは、これからはあたしのそばに居てくれる。こんな幸せってあるだろうか。
「それから、俺はとても長生きするだろうから、雅の生まれ変わりを探すんだ」
「生まれ変わり?」
「そう。どこかにきっと居ると思うんだ。そして、俺ならそれが雅だって、きっと分かる。大勢の中から、どこに居たって……必ず見つけ出す」
ふっと微笑んでくれた。つられて笑う。夢物語みたいなことを言っているね。じゃあ、なにか目印でも決めておかなくちゃ。
「里に帰る時が来るとしたら……雅が居なくなったあと、かな」
そんなに寂しそうに笑わないで。あたしは、あと何年生きられるだろうか。



