ふぅと、息を吐いた深雪は、目を閉じて「雅」と呼んだ。
「俺は……死に場所を探していた」
「深雪」
ため息にも似た言葉を、ゆっくりと吐き出している。喋るのも辛いだろうと思う。
「解けない呪い、過去を恨み、親も……恨んだ。里では同類と見なされず。ひとりの心細さに押し潰されそうだった……」
じっと天井に注がれる視線。遠くを見ているような、いまにも閉じてしまいそうな、切れ長の目。
「里を出たがっていた圭樹と、人間界に来たよ。捨てたもんじゃなくて、楽しいことも色々あった。あいつが居なかったら、もっと早く消滅していただろうと、思う……」
言葉では表現できない友情なんだろう。深雪も圭樹も、お互いで支え合って来たんだ。
「そのうち……体が言うことを聞かなくなって来て。痛みも出て来た。死に場所を探し、すべて、どうでも良かった。人間もたくさん……男も女も、たくさん食った……」
そこまで言って、ゆっくり顔を傾けて、あたしを見た。その眼差しに、心臓が跳ねる。
「そんな時に、雅。きみに出逢った。一目惚れの力って凄いな」
弱々しく微笑んで、その笑顔が、とても優しくて。
「もっと生きたいって、思った」
「そうだよ。まだまだだよ。ここでの生活とか、圭樹との武勇伝とか、色々聞きたいんだから。水族館へも一緒に行ってくれるんでしょ? ね、元気にならなくちゃ」
言っていて、空しくなってくる。どうしてなにもできないんだろう。言葉だけ浴びせて、体を与えるだけ。それだけなんて。
どうしてあたしには、力が無いの。
「最後に出逢えて、愛せたのが……雅で良かった」
目尻から零れた涙が、雪の玉になって畳の上にコロンと転がった。
「……み、深雪」
「俺は……死に場所を探していた」
「深雪」
ため息にも似た言葉を、ゆっくりと吐き出している。喋るのも辛いだろうと思う。
「解けない呪い、過去を恨み、親も……恨んだ。里では同類と見なされず。ひとりの心細さに押し潰されそうだった……」
じっと天井に注がれる視線。遠くを見ているような、いまにも閉じてしまいそうな、切れ長の目。
「里を出たがっていた圭樹と、人間界に来たよ。捨てたもんじゃなくて、楽しいことも色々あった。あいつが居なかったら、もっと早く消滅していただろうと、思う……」
言葉では表現できない友情なんだろう。深雪も圭樹も、お互いで支え合って来たんだ。
「そのうち……体が言うことを聞かなくなって来て。痛みも出て来た。死に場所を探し、すべて、どうでも良かった。人間もたくさん……男も女も、たくさん食った……」
そこまで言って、ゆっくり顔を傾けて、あたしを見た。その眼差しに、心臓が跳ねる。
「そんな時に、雅。きみに出逢った。一目惚れの力って凄いな」
弱々しく微笑んで、その笑顔が、とても優しくて。
「もっと生きたいって、思った」
「そうだよ。まだまだだよ。ここでの生活とか、圭樹との武勇伝とか、色々聞きたいんだから。水族館へも一緒に行ってくれるんでしょ? ね、元気にならなくちゃ」
言っていて、空しくなってくる。どうしてなにもできないんだろう。言葉だけ浴びせて、体を与えるだけ。それだけなんて。
どうしてあたしには、力が無いの。
「最後に出逢えて、愛せたのが……雅で良かった」
目尻から零れた涙が、雪の玉になって畳の上にコロンと転がった。
「……み、深雪」



