妖しく溺れ、愛を乞え


「立てないの? こっち、こっちに横になって……」

 肩を貸して体を支え、布団に体を横たえさせた。呼吸が荒い。
 白い髪のほうの深雪。真っ白で、とても弱々しかった。

 たかが数日会わなかっただけなのに、この弱り方。尋常じゃない。どうしよう。どうしたらいいの。

「居たのか」

 後ろから圭樹が入ってきた。

「う、ゴホゴホッ……」

「深雪、しっかりして」

 あたしのこと、圭樹も来てくれたこと、分かっているのだろうか。理解しているのだろうか。
 こんな暗い部屋で、ひとりで。どうしてこんなことに。

「衰弱しきっている。もう、こいつは……」

「やめて!」

 その続きは聞きたくない。だめ、やめて。

 あたしは、リュックを降ろしてダウンコートを脱いだ。そして後ろに居る圭樹に声をかける。

「深雪とふたりにして欲しいの。話がしたい……」

「……分かった。済んだら呼べ」

 察したように圭樹は静かに立ち上がり、部屋を出て行った。