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足が痛くなったり、疲労から眠くなったりしながら、歩き続けた。本当に、圭樹が入口を開いた場所は遠かったんだな……それを実感させられる。
「……足が痛い……」
急な斜面を登ったり崖を下ったりしないだけまだマシかな。それでも雪が多くて、足を取られるし体力も奪われる。
どれくらい歩いたのかは分からない。時間も分からない。その時、歩いている雪の音が変わった気がした。
「?」
フカフカで足を取られていた雪が、硬くなった。明らかに音が違う。サクサク鳴っていたのが、ザクザクという音に変わり、足元も取られなくなった。ただ、少し滑るかもしれない。
「着いた」
ふいに、前を歩いていた圭樹がそう言う。
「ほ、本当?」
正直、雪の里への入口を作るのが苦手なことに加えて、方向音痴なんじゃないかな、本当にこっちで合っているのかなんて、疑って見ていたんだけれど。
雪の景色が、段々と開けてくる。そして、道が見えてきた。木が凍ってできる樹氷が、一本道をなぞって生えている。
「ああ、着いた。疲れたなぁ」
のんびり言う圭樹だったけれど、表情は明るい。
着いた。やった。やっと。ここに、深雪が居るはず。
「……やっぱり。強くなった。あいつの気を感じる。居るぞ」
「ほ、本当に?」
あたしはなにも分からないけれど、圭樹だけは感じ取っている。なんだか少し嫉妬してしまうけれど。



