いずなとの戦いで負った傷。
油断し、かなりの深手だった。

すぐに反撃し、向こうにもそれなりの傷を負わせたが。





しかし、次に目を覚ました時にはその傷は薄くなっていた。
こんなに治りが早いわけはないと。



ツーッと、鋭くとがっている爪を蒼子のその痕に這わしていく。




「ン・・・っ」




蒼子が、顔をしかめ唸り声をあげる。
そんな蒼子を、白玖は無表情で見下ろしていた。




その表情がなにを想っているのか。
それを表に出すことはなかった。





白玖はそっと蒼子の着物のあわせを元に戻す。
そして、ただただ蒼子の寝顔を見下ろしていた。