「"七夕は君と―恋愛編―" ねぇ……」 いかにも女子が好みそうなその本のタイトルにくすりと笑った。 「え……うん。昨日帰り道に見つけて読んでみたらはまっちゃって……」 少し恥ずかしいのか微かに頬が赤くなるのがわかった。 そんな沙織を見て自然と顔が緩んだ。 「勉強……終わりそう?」 「んー今日はここまでにしとく」 そう言いながらパタリと教科書を閉じた。