「お前さんがフランと結婚したいのなら、それは仕方ないが・・・」

モールがちらりとるりの顔を見る。
るりは冗談じゃないと、大きく首を横に振った。

その動きにモールは安心した表情を見せた。


「まあ、フランが何をしようと、わしもお前さんを「はいそうですか」と手放すことはしないからね。そこは安心しな。こんな面白い魔法使いを簡単に手放すものか」

「お、お願いします。なんとか」


るりは手を合わせ、モールに懇願する。

「ああ、なんとか考えてみるよ。今日はわしが夕食の準備をするから、お前さんはお風呂に入ってきな。疲れただろ?風呂でゆっくりするといい」


モールは立ち上がると、るりを安心させるように優しく頭をぽんぽんと撫でた。