「怪我は良くなりましたか?モールさん」

あれから一週間経ち、大分動けるようになったと聞いてるりはモールのいる部屋へと出向いた。
ベッドで上半身を起こした状態ではあったが、顔色もよく元気そうなモールを見て、るりは改めて安心する。

「ああ、大分良くなったよ。治癒魔法のお陰で傷も塞いだ。後は私の体力がもう少し回復すれば、普通に生活出来るだろう」

「良かった・・・。私を庇ったばかりにこんな事になってしまって、本当にごめんなさい」

「いいや、わしが全部悪い。あんな闇の深い時間に行ってしまったのがそもそもの間違いであった。自分の魔力の衰えを痛感したね。まあ、結果的に死人が出ることなく解決したのだから、そこだけが救いだよ」

モールはるりに軽く笑みを見せる。
その笑みにるりもつられて笑みを零した。