感謝の言葉をかけられても、るりは素直に喜ぶ事は出来なかった。

私は何もやっていない。操られただ吹いただけ。
もしこの魔法が表の意味の魔法なら、自分のせいでこの世界は滅んでいただろう。


「いいえ、私はやはり未熟でした。一歩間違えば大変な事になっていた。感謝の言葉をそのまま受け取る事は出来ません」

「いいえ、ルリ・・・。あなたはこの国の偉大なる魔法使いです。結果的にこの世界を救った、その事実は変わらない。国を守る魔法使いでありながら私達は何も出来なかったのです。あなたがいなければ、この世界は終わっていたのです。私はこの件の責任を取り、魔法長を降りようと思っています。もう一度初めから修行しなおそうと。そして後任をルリ、あなたに任せたいと思っています」



「ま・・・魔法長を、私が、ですか!?」

「はい。ルリ、あなたが一番の適任者です。ぜひ、この国の為にもお願いします」


「この話は王も了承している。是非ともお願いできないか?」


魔法・・・長?
私が・・・?この国の・・・?