【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

三人が外へ出ると、途端にベッドに上半身だけ投げて、地面に残った足をばたつかせる里佳子。


「里佳子、どうしたんですか?」


「うるせー、見るな、見るなぁ……」


ベッドに顔を埋める里佳子の声はくぐもっていて、聞き取るのがやっと。


そしてようやく顔を上げると、里佳子は耳まで真っ赤にして目をうるませていて、滅多に見れないくらいに、顔を緩ませていた。


「だって……燭が昔みたいに笑った、から。アタシのせいでいつも申し訳無さそうに俯いてる燭が、笑ったから」


その光景は、いつも強気な、きつい顔をした里佳子をぐっと女の子らしくみせるようなもので。


「良かったですね」


自然と零れた言葉はお愛想なんかではなく、本当に自然と零れたもの。


そんな私に、里佳子は緩んだ顔を別の意味で緩ませた。目も口も、ポカンと広げて。


「笑里……お前、今」


でも、その先の言葉を里佳子は言うことなく、ふにゃ、と柔らかく笑うと起き上がり、荷物からジャージを取り出しにかかった。