【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

「ユウジョウっていうのは、簡単に無くなってしまうモノなの?あの子とリカコ達の事もだし、アカリとリカコみたいに恋心が絡んだ時もそう。ボクには、この仕組みが少し難しいんだ」


そんなもの、私でなくても誰しも答えられない事だろう。


皆それが可笑しい事だというのは頭では分かっていても、そうなってしまうのがあちらの世界なのだとしか、いくら考えたところで言いようが無い。


「ヒエラルキーとかスクールカーストっていう人間社会の仕組みを調べたらどうでしょう。少しは答えに繋がるかもしれませんね」


「そう。ありがとう。その言葉について分析してみる事にする。……人間って、書面にはない決まり事や仕組みが多いんだね」


風に揺れるルイの灰色のような茶色のような髪の毛や、それを掻いて直す仕草は自然なのに、ルイは、やはり人間ではなくヒューマノイドなのだ。


あちらの世界へ近付き過ぎた時、彼は彼のままでいられるのだろうか。それとも、私みたいに必要の無い物は捨ててしまうのだろうか。