【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

いつものようにバスでルイと学校へ向かい、バス停から学校への道を歩いていると、少し先に里佳子と取り巻きの女の子が登校しているのが見えた。


里佳子がこの時間に登校するのは珍しい事で、いつもはギリギリに教室に来ているから、それだけでこの捨て失せた世界がまた別物に見えて来る。


「エミリ、キミに聞いても参考にならない確率が高いうえで聞きたい事があるんだけど、良いかな?」


「何でしょう?……ちなみに、そのお願いのし方だと普通の人間なら腹を立てて答えてくれないと思いますよ」


ルイは私に指摘された事を少し考える素振りを見せて首を傾げるも、聞きたい事を優先させたらしく私を見る。


「ユウジョウって一体何なんだろうって思うんだ。ボクが収集した『友情』っていう言葉の意味とは、実際の現状が違って見えて」


その疑問を投げ掛けたルイは、視線を私から先を歩く里佳子達グループへと向けた。


おそらく、ルイは今まではあそこの中にいた一人がいなくなってしまった事に疑問を抱いているのだろう。


そう、以前、私に文句を言って里佳子にシャットアウトされた、あの子の事だ。