【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

「エミリ、悲しんで。そして、目が腫れるくらい、体力が尽きるくらい、声が枯れるくらい、泣いて。傍にいれないボクに悲観して、泣いてよ。……愛してる」


光の映像の中のルイは、涙を流さずに泣いていた。私に触れないと涙を落とせないルイは、もう触れる事の出来ない私に、懸命に手を伸ばす。


私も手を伸ばした。触れたい。落として欲しいんだ。私に触れないと零れない、そのひと雫のかけがえのない宝物を。


「ルーイ!準備は出来たか?」


光の映像の奥で、微かに成の声が聞こえた。そうか、ルイは眠りに就いたあの日に、この映像を遺して命を懸ける旅に出たんだね。


「ちょっと待って。もう少し」


振り返り、まだ先の悲しみを知らぬ過去の私達に声を返したルイは、再び私を見つめた。


「そろそろ行かなきゃ。全てを取り戻しに」


嫌だ、ルイ、まだ話していたいよ、話していたいのに、どうにも想いが声にならない。まだ私は、君に愛していると伝えていないのに。


愚かで無力で、罪への贖いをこの先死ぬまで背負う私へ向けて、ルイはとびきり美しく微笑んだ。


「ありがとう。キミはボクの全てだったよ」


その言葉に篭ったルイの愛も、悲しみも全部全部背負うよ。消えることの無い罪と共に、大切に抱いて行く。