【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

命が、短くなる?そんな事聞いてない。父からもルイからも、一度も聞いてない。


ルイは私の為に何をしてくれたかを考えると、それが無茶なのかどうなのかだなんて一目瞭然で。


「お父さんはボクをこの身体に移してくれた時聞いてくれたね。『中身を一回消してしまえば君は長く感情を持った生き物でいれる』と。……でもね、消さないで、ボクにエミリを救う術を、傍にいる術を残してくれた事、感謝してるんだよ」


ルイの鳥が鳴くような綺麗な声に、今日感じた胸の奥の空虚の柔らかいところが、今日で一番痛くなる。


それはちくちくとひっきりなしに私を攻撃し、やがて痛みは私の身体中へと巡って行く。


「それによって、ボクの命が尽きるリミットが急速に縮まっていたとしても幸福なんだ。傍にいるという約束を守れる事が、それから、大切にしたいと思える友人がこんなボクに三人もいる事が。あとね、お父さんを、こんなにも尊敬出来る事が」


どこまでも穏やかなルイの声に、言葉に、状況が理解し切れなくても分かる事がある。


お父さんが、美樹先生がどんなに頑張っても、ルイの命の灯火のリミットは、そう遠くないのだと。