【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

感情を持つと、この嫌に神妙な空気へ対して不安混じりの好奇心を覚えるのを思い出す。


喉の壁が乾き、それでも、扉の向こうのルイと父に気付かれぬよう様子を窺いたい気持ちが湧き上がる。


成も同じ気持ちのようで、背後からやけに大きく唾を飲み込む音が響いた。


「ルイ、今の状況にならないよう、最初に説明したよね」


扉の向こうから声が聞こえた。聞いてはいけないと頭の片隅で警告のベルがなるのに、好奇心と、少しの背徳感は止まる術を知らない。


「君をこの身体に移した時に言った事を覚えているかい?」


「うん、覚えているよ。僕の心臓の代わりになっているコンピュータは、昔の形のままだ。だから、どんなに高性能でも長持ちはしない。無茶をすればその分命が短くなる、とそう言ったよね」


ああ、嫌だ、聞きたくないと思うのに、身体は流れる血潮とは対象的に動きを止めてしまっている。


自然と荒くなる息遣いが耳につく。卑しい何かに成り下がった不愉快な気分。