【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

ルイは今どんな夢を見ている?それは幸せな夢だろうか。それでも早く目を覚まして。ほら、小さ過ぎても幸せが灯ってる。


「あ、アイツら……!」


体育館の入口で試合を見守っていた私達の後ろから、鼻を真っ赤に染めた里佳子と支えるように隣にぴったりと立つ燭の姿が映った。


試合に勝ってハイタッチをする彼女達を見て、その笑顔を見て里佳子は何を思うのだろう。


それは里佳子本人にしか語れない感情だけど、そんな里佳子に何を出来るかなんて決まっている。


「ほら、里佳子、皆のところへ行きましょう。迷惑をかけた事を謝りに。……あと、彼女達にお礼をしに」


「わ!笑里!……何だよ、さっきまで弱ってたくせに」


照れ臭そうに笑う里佳子に嬉しくなる。そして里佳子が彼女達とどうなって行くか楽しみになる。


ルイ、私は絶望だらけの世界で、罪を塗りたくった身体で、それでも幸せを追いかけて取り戻した感情を受け入れているよ。


その世界に君がいなきゃつまらない。だから早く目を覚まして。